被災地からのアピール    
すべての国民のみなさんに訴えます

 1995年1月17日の阪神・淡路大震災発生から5年が経ちました。
 復興県民会議と昨年発足した災対連は、大震災から5周年の節目にあたる1月16日から17日にかけて「大震災いまだ終わらず、5周年メモリアル行動」を繰り広げ、全国と被災地の多くの方々の熱い思いで大きな成功をおさめました。
 被災地でとりくまれてきた被災者・市民の立場に立った検証運動では、「大震災いまだ終わらず」の深刻な実態があらためて明らかになりました。

 被災者の運動が国会を動かし、98年、不十分ながら「被災者生活再建支援法」が成立したものの、政府は依然として公的支援・個人補償を認めようとしなかったこと、箱物優先の復興政策の誤りで大企業だけが潤う「復興格差」を広げたこと、さらに不況が追い打ちをかけ、このままでは被災地は取り返しのつかない事態に至る危機に直面しています。

 5年目の検証結果に如実に示された被災地の実態と住民本位の復興を遅らせている最大の原因は、大企業・ゼネコン型の産業インフラ復興優先、被災者の生活再建を後回してきた復興政策です。この復興政策の根底に、大銀行・大企業のためには多大の財政赤字も顧みず、70兆円もの公的資金をとめどもなく投入する一方、国民生活への全面的な犠牲を強いる悪政があります。

 昨年9月21日に発生した台湾大震災では、被災1週間後に全壊世帯に平均年収の半年分に相当する「生活再建支援金」が支給されるなど、被災者の生活と住まい再建のための個人補償がなされました。

 この一例を見ても明らかなように、日本の災害被災者への公的支援は世界的にも大きく立ち遅れており、政治の責任・あり方が厳しく問われています。
 また、災害列島・日本では大震災以後も相次いで発生しています。大災害後の対策の立ち遅れとともに、国民の生命・住まいを守る災害予防対策も不十分で、大震災の教訓を生かした災害対策、住民本位のまちづくりが強く求められています。

 大震災から5年の被災地では、立ち上がろうとしている被災者の障害を具体的にとりのぞくこと、被災者が一日も早く元気に立ち上がるための国や自治体の責任による公的支援がなによりも必要です。
                                  
 私たちは、生活再建をたしかなものにするために次の願いの実現を強く求めます。
@ 一部損壊を含む被災した住宅・店舗の再建資金に500万円〜150万円を支給すること、すでに再建した被災者には同等のローン返済免除をおこなうこと、家賃減額 補助の継続・民間家賃助成の拡充など被災者の居住の権利を保障すること。
A 「被災者生活再建支援法」を抜本改善すること。また、阪神・淡路大震災被災者への支援金の支給金額の大幅引き上げ・年齢制限の撤廃など改善をおこなうこと。
B 大企業のための横暴・リストラを規制し、官公需を含めた雇用創出と中小企業・自 営業者の経営と営業を安定させること。また、震災関連各種融資については、当面返済を猶予すること。
C 神戸空港建設・神戸製鋼石炭火力発電所の中止など環境破壊をもたらす無駄で危険な公共事業はやめ、どんな時でも国民のいのちとくらしを守る安全・安心な都市づくり、まちづくりを優先しておこなうこと。
                           
 私たちは、国と自治体が推し進めてきた大企業・ゼネコン型産業インフラ優先の復興施策から人間中心の復興施策への転換を強く求めます。
                                                         すべての国民のみなさん。
 この5年間の被災者の生存権をかけたねばり強い運動は国民各層の共感と支持を広げています。
 公的支援・個人補償は世界の流れです。阪神・淡路大震災被災者の人間復興を願うすべての政党・市民・団体が「震災被災者への公的支援拡充」の一点で、合流・共同・連携してこの国の政治を動かしていきましょう。
 大災害から国民の生命・くらしを守るための住まいやまちづくりなどの防災・災害対策の拡充を強く求めましょう。


2000年1月17日


        「大震災いまだ終わらず、5周年メモリアル行動」にあたって
            災害被災者支援と災害対策改善を求める全国連絡会   
        阪神・淡路大震災救援・復興兵庫県民会議