阪神・淡路大震災被災3周年

被災地からのアピール


 一瞬にして大惨禍となった兵庫県南部地震発生から丸3年、被災地は3回目のメモリアルの日を迎えました。

 瞬時にして亡くなられた方々、そして「生き抜きたい」「生活再建を果たしたい」の願い半ばで、無念の死を余儀なくされた方々に心から哀悼の意を表し、この3年間、筆舌に尽くしがたい苦しみの中で、生活再建に必死に奮闘、努力をなされている方々に心からの敬意と連帯の意を表します。

 また、この間、全国の皆さんの「公的支援実現」「人間復興」「安心・安全な街づくり」を求める運動に、変わらぬ連帯そしてご支援にあらためて感謝申し上げるものです。

 あの日から3年、政・官・財一体となった「復旧・復興」は、国費約4兆円をはじめ、県費、市費など合わせて10兆円を超える公的資金投入により、鉄道、港湾、道路、大企業などは予想以上に復興し、ゼネコン、大企業中心の新たな「開発型復興」も「神戸空港」計画、エンタープライズゾーン、「多核的都市構想」など着々と進められています。

 一方「人間・くらしの復興」に対しては、政府は被災者への直接給付(公的支援)を頑迷に拒否し、被災者、住民の声を聞かない施策は、住み慣れた街から遠く離れた郊外への仮設住宅と災害公営住宅建設、公的助成を行った民間賃貸住宅は多く建設されたものの、高い敷金、家賃で空コ続出など、多くの政策的ミスマッチを生み、被災者の苦しみを一層深刻化させ、家、営業、街、くらし、健康など、被災者全体の生活基盤回復を大きく遅らせています。

 この間、被災地と、全国の皆さんに支えられた運動は、政府・自治体の厚い壁をうち破って、数少なくない前進をつくり出してきました。

 「個人補償的」施策と言わせた「家賃助成」を始め、仮設住宅入居者を除外するなど不充分さを伴っているものの「生活再建支援金」「中高年自立支援金」などの支給は、行政が隠しようのない厳しい現実と、幅広い連帯の運動、闘いによる前進です。

 こうした運動、闘いの前進は、政府、自治体の進める「弱者切り捨て」「大企業、ゼネコン本位」の復興施策の矛盾を暴き出し、「公的支援実現」「神戸空港」建設凍結を求める世論と結合し、被災地全体の世論を大きく揺り動かしました。

 昨年5月の公的支援を求める「住民投票」で87万票の98%の人々が賛成と投じ、10月26日投票の神戸市長選挙で、新人の大西和雄候補の大善戦で、国の政治をも大きく動かし「公的支援法」を国会の土俵に乗せました。

 この通常国会では、何としても実現させねばなりません。

 政府は、昨年4月からの消費税増税を始め、9兆円に及ぶ負担増を国民に押しつけた結果、最悪の失業率の増大、倒産の激増を引き起こしました。

 その上に、96年の住専への6850億円の税金投入に続いて、政・官・財一体となって、銀行、金融機関救済に30兆円にも及ぶ公的資金投入を進めようとしています。

 自然災害で生きる手段を奪われた国民の生活基盤回復にわずかその30分の1、1兆円余の公的支援拒否は、何ら道理はありません。

 苦難におちいった国民を救うことこそ、政治の第一義的任務ではないでしょうか。

 被災者への公的支援(個人補償)拒否や、見せかけの支援策は、阪神・淡路大震災被災者の問題にとどまらず、自然災害列島日本の国民全体に突きつけられた「刃」ではないでしょうか。

 

 今、私たちは被災地から呼びかけます。

  銀行、金融機関救済より、被災者、国民を救え、

  すべての自然災害被災者が立ち上がれる「公的支援法」を実現せよ。

  そして「人間の尊厳が守られる国づくり」のたたかいを・・・・・

阪神・淡路大震災3周年メモリアルの日に

 1998年1月17日

大震災3周年、98メモリアル行動実行委員会