"これでは阪神・淡路大震災被災者は救われない"

政府・自民党の「被災者生活再建支援基金法案」に対する

阪神・淡路大震災救援・復興兵庫県民会議の見解


2月10日に、政府と自民党は「被災者生活再建支援基金法案」を合意したとマスコミ報道が行われました。

 被災者への直接給付、公的支援拒否をかたくなに拒否してきた政府・自民党を、被災者と国民的世論によって追いつめてきたものといえます。

 しかし、新聞報道などによれば「阪神・淡路大震災被災者に遡及適用しない」など、阪神・淡路大震災被災者にとっては、絶対に容認できない「法案」であるばかりか、支給対象を「全壊」に限定し、支給金額も最高で100万円とし、収入や年齢など支給対象を絞り込んだ劣悪なものです。

 阪神・淡路大震災発生から3年たって、高齢化とコミニュティー崩壊の進む仮設住宅の入居者23,726世帯(2月1日現在)孤独死200名に象徴される被災者の厳しい現実、全壊(全焼)世帯の平均被害金額2146万円(復興県民会議調査)、あの日から3年、被害額はさらに増え続けています(3年間で19兆円にも及ぶ推計もあります)。

 住民のもどらないまちで生活・営業再建、継続の困難さなどを全く考慮していない「法案」です。私たちは、政府・自民党に強く再考をうながすものです。

 政府は、バブルにおどった「住専」に6850億円の税金投入に続いて、国民世論を踏みにじり、銀行支援に30兆円に及ぶ公費投入を強行決定しながら、国民が自然災害により生活基盤を失った場合に、何故、これ程まで冷酷な態度で、「涙金」程度の公的支援しかできないのか、腹の底からの大きな怒りを禁じ得ません。

 前例としてある「雲仙」「奥尻」における生活・営業再建過程を参考にし、阪神・淡路大震災による被災の実態、被災者の現実を直視して、自然災害により生活基盤を奪われた人々の、真の生活基盤回復に資する内容をもつ制度にすべきです。この事が歴史の教訓を活かす「人類の英知」ではないでしょうか。

 私たち、阪神・淡路大震災救援復興兵庫県民会議は、大震災被災から3年余、依然続く被災者の厳しい現状を見るとき、自然災害被災者に対する支援法案は、

 (1)すべての被災者の自立再建、生活基盤回復のために必要な金額とすること。

 (2)支給対象は、低い収入基準や使途制限などは設けず、中間層を含む幅広い対象とすること。

 (3)阪神・淡路大震災被災者に遡及適用すること。

 を盛り込むことが必要と考えます。

 このいずれの点についても、政府・自民党案はクリアーしておらず、「支援法案」とはなり得ないことは明らかであり、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえたものとは到底いえません。

 現在、超党派の議員立法として提出され、参議院で継続審議となっている「災害被災者等支援法」(案)(全壊世帯で最高500万円・半壊世帯に同250万円支給、阪神・淡路大震災被災者にも遡って適用)が成立、実施されたとしても、銀行支援30兆円のわずか30分の1の1兆円強でしかありません。

 私たち、阪神・淡路大震災救援・復興兵庫県民会議は、参議院災害対策特別委員会で、2度にわたって国会で継続審議となっている「災害被災者等支援法」案を直ちに審議し、今国会で成立させることを強く要求するものです。

以上

1998年2月20日

阪神・淡路大震災救援・復興兵庫県民会議